運送業者へのコンサルティング

数か月継続した運送会社のコンサルティングが終盤に近付いた。

この企業は、原発事故によって大きく影響を受けた福島県内の企業である。避難を強いられるなどの直接の被害はなかったが、荷主が長期間の生産中断を余儀なくされ、したがって、3年間ほど売り上げが低迷していたとのことだった。

この企業への支援内容は、今後の経営体質を改善するために、①営業施策を具体化すること、②経営管理の方法を明確にすることなどである。

特に、①の営業施策に関しては、この企業の荷主・顧客は1社依存が強く、経営の不安定さを招いていることから、自社で営業できるスキル、ツール類を整備することである。

一般に運送業者は、自社で営業することは苦手としている。自社のホームページも持たない運送業者が多い。逆に言えば、ホームページを持たなくても、安定した顧客さえ持っていれば、一定の売上が確保されてきた。

そうであっても、これからの不透明な時代に備えて、会社紹介を兼ねたホームページを持つことは重要だと思える。この会社へのコンサルティングの支援実施の内容では、ホームページを持つ段階にまでは至らなかったが、今後の課題を有することとなった。

今後、運送業者に関しては淘汰が予測される。昨今の運送業者に関わる様々なニュース報道、あるいは自動運転などの技術革新が運送業界に及ぼす影響を考えると、自社営業の重要性、またホームページによる情報発信が、いよいよ運送業者にも必要な段階になったと感じる。

西村 伸郎西村 伸郎

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